環境教育賞

第13回 表彰活動紹介


足尾での植樹の様子
<活動名>
豊かな自然を守るために四小ができること
<学校名>館林市立 第四小学校
「地域とあゆむ花の四小」をスローガンに地域とともに協力して、1年生から6年生までの全校で花の栽培活動等を行っている。学校園のサツマイモ苗植えは地域との連携が20年間続いており、地域にとっても慣れ親しんだ活動となっている。3年生では「大島しぜんたんけんたい」活動で学校周辺の動植物の調査・観察・記録により、身近な自然の豊かさに気づき、自然を大切にしようとする心を育んでいる。6年生では、地域関係機関と連携し、渡良瀬川の鉱毒被害の歴史、自然環境の変化と自然保護の重要性を学んでいる。さらに足尾を訪問し、実際に何が起こったのかを自分の目で確かめて、自ら育てたクヌギの苗を植樹、環境保全活動の大切さを実感している。

公民館でのホタル学習会
<活動名>
ホタル大好き 自然大好き あづまっ子

<学校名>東吾妻町立 東小学校
地元の「箱島ほたる保護の会」の尽力により、学区内にホタルがたくさん生息している。PTA行事として「ホタル学習会」が開催され、ホタルの生態について座学で学習し、その後生育地に出向き、実際に観察している。4年生は総合的な学習の時間にホタルについて調べ学習をし、保護者や下級生に向けて発表を行っている。さらに、低学年は金魚、ウサギ、3年生以上はメダカ、カブトムシなどの生き物の一生について学び・飼育・観察する活動や、遊休農地と校内花壇を活用し、サルビアやひまわりを育てる環境美化活動も行っている。

花が咲き誇った花だん
<活動名>
四中を花いっぱい!
<学校名>伊勢崎市立 第四中学校 特別支援学級8組
種から育てた花や野菜の苗などを、学校内のプランターや花だん、畑に植え育てる活動を行っている。令和2年度は新型コロナウイルス感染症の予防のため、4・5月休校となり活動ができなかったが、前年10月に種まき等は行っていたので、休校中は花が咲き誇っていた。活動再開後は、花の手入れを行い、種を採取したりアロエベラ等の観葉植物をさし芽やさし木により育てている。8組では植物の生育や、除草・清掃等の環境整備活動を通じて豊かな心を養うとともに四中の生徒や先生をはじめ、四中を訪れた人々に花や作品を楽しんでもらう環境美化活動を展開している。

ミヤマシジミの保護活動
<活動名>
「倉渕地域に自信と誇りを持ち、倉渕を語れる生徒」の育成
〜「地域の自然環境を守る」〜

<学校名>高崎市立 倉渕中学校
倉渕の自然環境や地域の特色を学び、理解を深めることにより、「倉渕地域に自信と誇りをもち、倉渕を語れる生徒」を育成し、郷土愛を育むだけでなく、立派な社会人となるための基礎を身に付けようと「地域の自然環境を守る」取組を継続している。まず、倉渕公民館が平成21年から実施している「ミヤマシジミ(絶滅危惧種)」の保護事業を担い、保護活動とともに生息地の烏川堤防の草刈り等清掃や環境美化に努め、倉渕の子どもとして地域に貢献している。次に、有価物の回収は昭和44年から行われ、平成20年度からPTAが職員駐車場にビン・缶・古紙の回収ボックスを設置したことで、保護者をはじめ、地域の方々が気軽に有価物を運び入れてくださる等、地域ぐるみで資源のリサイクルを行っている。また、国有林を学校林として昭和26年から契約し、倉渕の林業や自然環境について理解を深める、山里の守り隊(森林体験学習)を体験し、美しい自然環境の保全に努めている。

尾瀬国立公園にてドローンを操作する様子
(関係機関の許可を得て飛行)
<活動名>
ドローンを活用した環境教育
<学校名>群馬県立 尾瀬高等学校
従来の体験型の環境学習活動を中心とした環境教育を実践する一方、昨年度から「ドローンプロジェクト」を学校全体で取り組みを開始した。最新技術の1つであり、優れた空撮能力をもつドローンの特性を活かして、地域の自然環境の特徴をより正確に理解するとともに、学校内外に成果を発信することを目的に環境活動を行っている。ドローン導入により現在行っている調査も調査範囲が増えたことで、より多くの視点から考察を行うことができ、さらに「総合的な学習(探求)の時間」で普通科を含めた学校全体で地域の自然環境について考える機会を持つことが可能となった。

工業化学研究部 3年生
<活動名>
一貫堀川の水質分析とこんにゃくを用いた浄化設備の開発
<学校名>群馬県立 高崎工業高等学校 工業化学研究部
学校の北側を流れる一貫堀川の汚染浄化に、群馬県産のこんにゃくを用いた浄化設備を開発することで、地域貢献、環境保全を目指している。まず一貫堀川の濁度、硬度、各種イオンCODなどの水質分析を行った。次に浄化剤として、天然素材のこんにゃくを用いた浄化膜を作製、普通のこんにゃくと活性炭入りのこんにゃくを膜状に加工、細孔径を統一し、透過実験を行った。処理水を分析した結果、濁度、硬度、各種イオンは減少したが、CODは上昇した。さらに砂ろ過法乾燥処理実験でもCODを制御できなかった。これはこんにゃくの成分のグルコマンナンの流出が原因で、今後は凝固剤を炭酸カルシウムに変更し、炭化処理などを行い、浄化剤としての検討を進めている。

玉原湿原ミズバショウ群生地への防獣ネット設営
<活動名>
玉原湿原ミズバショウ群生地の保護活動

<学校名>群馬県立 利根実業高等学校 生物生産科 生物資源研究部
農業廃材等を利用したイノシシ・シカの侵入防護柵研究を実践しており、その活動実績から、行政機関、自然保護団体より依頼を受け、玉原湿原において侵入防護柵設置による、ミズバショウ群生地の保護活動と調査研究に取り組んでいる。保護活動では、ミズバショウ生息(株数)状況調査、防獣ネットの設置、設置後のミズバショウ生育調査、加えて本校赤城農場でのヒツジ等を用いた防獣ネットの効果の検証実験を行い、今後の課題研究につなげている。また研究活動の成果は、全国ユース環境活動発表大会などでの発表や地元小中学校の出前授業による環境教育に生かされている。

人工衛星からの電波を活用した
水路の測量
<活動名>
救え!地元美野原農家! 〜伝統測量技術を活かして〜
<学校名>群馬県立 吾妻中央高等学校 環境工学研究部
農業用地「美野原土地改良区」に良質な水の確保のため、老朽化により損傷のある農業用水路の補修・維持管理するための水路図作成の依頼があり、伝統の測量技術を活用して作成を行った。作成にあたり老朽化による損傷情報を水路図にデータ化していくために、実際の水路状況を現地で確認し、一つ一つ記録を行った。また機能診断後、地元建設会社の指導の下、損傷箇所を簡易的に補修し、現存する水路を活かし長寿命化をはかる、「ストックマネジメント」について体験し、さらに、機能診断情報を含め、補修履歴等について水路図に入力し、データベース化を図っている。

ペットボトル移植ごてを実際に
使っている様子
<活動名>
大切な自然をきれいにしよう!
<学校名>学校法人大出学園 支援学校 若葉高等学園
今年度の環境活動では、空の牛乳パックやペットボトルをリメイクし、作業で使う道具作りを行った。日々の各作業にあると便利な道具に絞り込み、みんなで考えを出し合って、工夫を重ねた結果、小物入れ、引出しの仕切り、移植ごて等を作って、コース内の作業で活用している。必要な道具を生徒自ら考えだし、ゴミとして処分されてしまうものをリメイクし、再利用することで廃棄物削減の意識へと繋げている。また、学校や地域の清掃活動や農園芸コースで栽培している花を利用し、花植えや花壇の管理などの環境保全美化活動も継続実施している。

榛名湖の生態学的調査
<活動名>
榛名湖の水質調査及び生態学的調査
<学校名>群馬県立 渋川女子高等学校 自然科学部
41年前から群馬県を代表する湖の榛名湖で、毎年7月、湖心で水深2mおきに、水温、pH濃度、電気伝導度、動物および植物プランクトンの種類と個体数を測定している。当初は水質汚染を確認する意味合いが強かったが、ここ数年は汚染に関する懸念はほとんどなく、現在は、水質とそこに生息する生物との関係性を考察し、生物の増殖の可能性を探っている。令和元年度は、榛名の調査に加えて新たに赤城大沼の調査を行い、それぞれの水質とワカサギの関連性を考察した。今年度は、榛名湖の水質とドジョウ、マスとの関係性を調査、放流の可能性を探っている。